/ Report
1月の東京オートサロンから、およそ1カ月。2026年2月、インテックス大阪に関西最大級のカスタムカーが集まりました。大阪オートメッセ2026——C/LOG編集部は会場を歩き、DAMDとオートフラッグス、2つのブースの新作をじっくり取材してきました。
東京オートサロンと並ぶ「国内2大カスタムイベント」として語られることの多い大阪オートメッセも、2026年で第29回。インテックス大阪の1〜6号館を使い切る大規模展示で、出展は373社、並んだカスタムカーは702台、3日間の来場者は21万3,403人にのぼりました。働くクルマ・トラック系の展示や、関西発のチューナー、地元密着型のショップが目立つあたりが、関東のオートサロンとは少し違う色合いです。
初日となる2月13日、会場図を片手に真っ先に向かったのは DAMD(ダムド) のブース。ここ数年、カスタム業界のなかで独自の存在感を放ち続けているブランドです。
/ DAMD Booth

DAMDは、神奈川を拠点とするカスタムキットのブランド。掲げるコンセプトは「憧れを創る。違いを創る。」。ジムニーをネオクラシック仕立てにする 『little G.TRADITIONAL』、5ドアのジムニーノマド専用イタリアンオフローダー 『ARMATA』、ステップワゴンをタフでスクエアな表情に仕立てる 『RESONATOR』、フリードをヤングタイマー風に仕立てる 『ISOLATOR』、デリカミニをワイルドな表情へ導く 『DALI』 など、フロントフェイスチェンジを中心に、車種ごとに「まったく別の表情」を与えるキットで知られています。
ブースには6車種のDAMDキット装着車が並んでいました。今回はそのうち、WR-Vの『REVERB』を除く5車種を、順にレポートしていきます。ブースを案内してくれたのは、近年のダムドのコンプリートカーやボディキットの多くを手がけるデザイナー、徳田亮介さん(愛称・トッキーさん)。一台ずつコンセプトを伺いながら回りました。
ジムニーノマド 『ARMATA』 — もしイタリアにオフローダー史があったなら
目玉のひとつが、5ドアのジムニーノマド(JC74)専用カスタムキット 『ARMATA』。コンセプトは「太陽の国の冒険美学」です。徳田さんによれば、発想の起点は一つの気づきでした。英国にはランドローバー、ドイツにはGクラス、日本にはランドクルーザー、米国にはジープ。それなのに、イタリアを象徴するオフローダーが見当たらない。もしもイタリアにも独自のオフローダー史があったなら——その空想を、そのまま形にした一台です。
ベースにジムニーノマドを選んだ理由は2つ。ジムニーのカスタム文化がすでに成熟していること、そしてシンプルなボディ形状がDAMDの掲げる「ネオクラシック」と好相性だったこと。実車はクラシックなオフローダーの顔つきへ大きく変わって見えますが、フロントの主な変更点はバンパーとグリルの2つだけ。ボンネットとフェンダーは純正のままです。ベース車の形をほとんど変えずに、別のキャラクターを立ち上げています。
丸目4眼のスクエアグリル、角型ウィンカー、左右別体の角型アンバーフォグ。ひとつずつはクラシックな要素ですが、配置のバランスが練られていて、力強さと端正さが同居しています。クラシックなラス網と、グリル中央にセットされたDAMDトライアングルエンブレムも、往年のイタリア車を思わせる佇まいをつくっていました。
そして、夜。純正のジムニーノマドは丸目2灯ですが、ARMATAはこれを4灯化しています。取材時の説明では、丸目4灯でもロー/ハイで役割を分けて2灯ずつ点灯する例が多いなか、ARMATAは4灯すべてが点灯することも見どころのひとつ。アンバーのフォグとあわせて、昼とはまったく違う顔が浮かび上がります。
キットの構成は、フロントグリル、DAMDトライアングルエンブレム、丸目4灯ヘッドランプ、角型ウィンカー、前後バンパー、テールランプ、サイドモールなど。細身のゴム製サイドモールも既製品の流用ではなく、ARMATAのために型から新しく起こしたものだといいます。足元には、イタリアを代表するホイールメーカー「OZ」とのコラボレーションで生まれた「Rally Racing(ラリーレーシング)」。展示車が履くブロンズカラーも用意され、イタリアンオフローダーの世界観がタイヤの内側まで続いていました。ラインナップはコンプリートキット単体と、OZ Racing 5本セット付きの2種類(いずれも未塗装品素地/塗装・取付工賃・送料は別途)。なお、キット付属のリアバンパーにはリアフォグランプが含まれないため、別途「NOMADE用リアフォグランプキット」が必要です。価格や仕様の詳細は公式サイトで確認できます。



さらに印象的だったのが、専用アクセサリーの 『トラックミラー』。縦長で大ぶりなミラー本体とU字パイプの組み合わせが、ARMATAのオールドスクールな雰囲気を一段引き上げます。一見するとシンプルなパーツですが、中身はかなり現代的。ミラー本体には熱線を内蔵し、車両側のミラーヒーター機能に対応します。畳んだあとも元の開き位置に戻しやすい位置記憶機構つきなので、狭い道や駐車場でもストレスがありません。見た目だけでなく、使い勝手まで専用品として詰め切る——そこにDAMDのこだわりが表れていました。
リアまわりに使われているのは、JA11など昔からのジムニーにも用いられてきた汎用の角型テールランプ。点灯したときの光り方にも、しっかり個性があります。構成自体はシエラと共通ですが、ノマドはバックフォグの位置が異なるため、そのままでは適合しません。そこでノマド用のアディショナルバックフォグを別に用意し、このリアスタイルを成立させたそうです。
純正ボディを大きく変えないまま、灯火類、モール、ミラー、ホイールまでをひとつの物語でつなぐ。ARMATAは、ジムニーノマドにイタリア車風の意匠を足した一台ではありません。DAMDが思い描いた“もうひとつのオフローダー史”を、細部まで組み立てて見せた一台でした。
ステップワゴン 『RESONATOR』 — 8mmの「逆スラント」がつくるアメリカンな顔
もうひとつの目玉が、ホンダ ステップワゴン用のカスタムキット 『RESONATOR』。「広大な大地を駆ける強烈なアメリカンバンの存在感を、日本らしい洗練されたミニバンへ落とし込んだ」一台です。
角目4灯ハロゲンヘッドランプに、スクエアなグリル。なかでも、上段のランプを下段より約8mm奥へ引いた「逆スラント」は、クラシックアメリカンのテイストを成立させるために徳田さんが譲れなかったポイントだといいます。デザインは大胆ですが、ベースはあくまで家族や仲間と楽しむミニバン。室内の広さも日常の使いやすさもそのままに、フロントまわりだけを角ばった力強い表情へ振り切っています。

今っぽいシャープさを狙わず、あえて角目ハロゲンを選ぶ。それだけで、ミニバンの実用的な印象に、往年のアメリカ車を思わせるゆったりとした佇まいが重なります。「RESONATOR」とは、共鳴器・共振器を意味する言葉。実車を前にすると、まずダムドが描いた世界観に心が動きます。そして走り出せば、家族も仲間も荷物も、まとめて飲み込んでどこまでも行ける——「ファミリー・レゾナンス・クルーザー」です。
その表情をつくっているのが、純正ボンネットの上から重ねるボンネットカバー。先端に厚みを持たせて、顔つきを力強く見せます。しかも固定は穴あけなし。既存の構造をそのまま使います。
グリル&バンパーは一体成形。展示車のブルーとブラックの境界も、別部品ではなく塗り分けで表現されています。純正ボディの角の丸みを一つずつ計測し、フェイスチェンジ部分の面が自然につながるよう設計。もとのデザインに馴染ませ、“後付け感”を出さないことを重視しています。その完成度は、メーカーのマイナーチェンジを思わせる品質。主張の強さと純正らしい調和を、同時に狙った造形です。
キット自体はフロントフェイスにフォーカスした構成(ボンネットカバー、グリル&バンパー、角目4灯ハロゲンヘッドランプ、ハーネス&ステー類など)。それでも各部を一体で設計しているため、単なる部分変更にとどまらず、ベース車の印象そのものを大きく塗り替えています。灯火類は単純に置き換えると車両側でエラーが出てしまうため、車両を解析したうえで専用の制御ユニットと変換ハーネスを用意し、必要なステー類とともにキットへ同梱。設定は未塗装品素地で、塗装代は別途です。詳しい価格・仕様は公式サイトをご確認ください。
実用面では、Honda SENSINGを生かすことが大前提。エンブレム内のレーダーセンサーは純正と同じ位置・角度を保って設置し、ソナーも純正位置を変えず、作動を確認しながら開発されています。結果、Honda SENSINGの運転支援機能はアダプティブドライビングビームを除いてそのまま利用可能。オートライトとオートハイビームも生かせます。
一方で、適合には注意が必要です。DAMD公式によれば、アダプティブドライビングビーム装着車、30周年特別仕様車、PREMIUM LINE、BLACK EDITIONは取付不可。SPADAへの装着には、マルチビューカメラの有無に応じたAIR用バンパーハーネスが別途必要とされています。検討する際は、必ず公式サイトの最新適合情報を先に確認してください。
なお、展示車のサイドを彩るウッドストライプはオプション設定のデカール、ルーフまわりのデューリーマーカーマウントもカスタムキット本体とは別アイテムです。マーカーはワークランプではなく、イグニッションONで常時点灯するオレンジ色のマーカーランプ。眩しさを抑えつつ車検にも対応しながら、RESONATORの世界観を分かりやすく補強していました。


フリード 『ISOLATOR』 — 80〜90年代の空気をまとう“相棒”
同じくホンダから、新型フリード用のカスタムキット 『ISOLATOR』。直線基調でメリハリのあるグリルに、モールデザインが際立つレトロなバンパー形状。コンセプトは「ヤングタイマー」で、1980〜90年代の空気をまとったキットです。
ISOLATORの面白さは、フリードの実用性だけで話を終わらせないところにあります。DAMD JOURNALが描くのは、日常と非日常を行き来する“相棒”としての姿。キャンプへ、遠出へ。フリードの使い勝手はそのままに、暮らしのすぐ隣まで“ちょっとした冒険”を引き寄せる提案です。
キット内容は、ボンネットカバー、フロントグリル&バンパー、フェンダーパネル、IPF丸型ハロゲンヘッドランプ、ヘッドランプステー一式、コーナーウィンカー、コーナーポジションランプなど。ISOLATORはe:HEV専用で、アダプティブドライビングビーム装着車には取付できません。設定は未塗装品素地、塗装代は別途必要です。最新の価格・仕様は公式サイトへ。
大阪オートメッセの展示車は『FREED Air ISOLATOR』。オプションのサイドデカールも組み合わされ、FREED Airのすっきりとしたボディに、ヤングタイマー風の表情がきれいにつながっていました。

ジムニー 『little G.TRADITIONAL』 — 前後・側面まで貫くネオクラシック
続いて、既存ラインナップからジムニー(JB64)×『little G.TRADITIONAL』。掲げるテーマは「遥かなる冒険の序章」。歳月を経ても愛される高貴なフォルムを、ダムド流のニューレトロデザインでジムニーへコンバートした、ネオクラシックの定番キットです。
フロントグリル、ボンネットカバー、ボンネットウィンカー、フロント/リアバンパー、角型フォグランプ、サイドモール、角型テールランプ、マッドフラップ、ddエンブレム——顔だけでなく、前後・側面までを一貫した世界観で押さえるコンプリートキットです。ボンネットカバーで顔に厚みを出し、サイドモールで横のラインを引き締め、リアバンパーと角型テールランプで後ろ姿まで。どこから眺めても、クラシックな4WDの空気が途切れません。
展示車のボディカラーは、オリジナルの全塗装+エイジング加工によるもの(公式設定色ではありません)。あえて使い込んだように仕上げた塗装のおかげで、新しいジムニーなのに、長い旅をともにしてきた相棒のような佇まいがありました。サイドのラクダ&「TRADITIONAL」デカールも効いています。なお、未塗装品には別途塗装代が必要。保安基準の「直前直左確認鏡」対策が済んでいない車両に取り付ける場合は、別途フロントカメラキットが必須です。価格や設定色の詳細は公式サイトで確認を。

デリカミニ 『DALI』 — もし70年代にデリカミニがあったら
最後は、新型デリカミニ(2025.10〜)用のカスタムキット 『DALI』。テーマは「もし、70年代にデリカミニが存在していたら——」。デリカミニの“かわいさ”を残したまま、どこか懐かしいレトロSUVの表情を重ねた一台です。
小さなボディはそのまま。そこへ直線基調の力強いグリル、初代パジェロを思わせる丸型ヘッドランプ、大胆なバンパーガーニッシュが加わることで、フロントは一気に本格オフローダーの顔つきになります。DAMD JOURNALはこれを「ネオクラ×タフギア」と位置づけ、ダカール・ラリーにかけた車名とともに「冒険心をふくらませるカッコかわいい軽」と表現しています。かわいさとタフさ、その両方を抱えた“小さな本格派”です。
見た目だけでなく、純正機能との調和にもDAMDらしさが見えます。丸目の表情をつくりながら、純正バンパーやセンサーまわりとのバランスを取り、後付け感を抑える。結果として、現代のデリカミニとして無理なく成立しています。
キット内容は、フロントグリル、バンパーガーニッシュ、IPF製丸型ヘッドランプ、コーナーウィンカー&ポジションランプ、ヘッドランプステー&ハーネス一式。専用デザインホイール『Cantabile』(ゴールド/ブラック/シルバー)と合わせれば、足元までDALIらしい雰囲気でまとまります。設定はカスタムキット単体と未塗装コンプリートの2種類。アダプティブLEDヘッドライト[ALH]装着車には取付できず、純正バンパーの一部カット加工も必要になります。価格・仕様は公式サイトに掲載されています。小さくても、しっかり主役を張れる一台でした。

/ DAMDの世界観
今回のDAMDブースで印象的だったのは、外装キットだけでなく、そのクルマと過ごす休日まで見せていたことでした。ブースの一角にあったのは『DAMD BOOKS』というコーナー。DAMDのクルマが載った FUDGE、ランドネ、GO OUT といったライフスタイル誌が並び、いずれも自由に持ち帰れるようになっていました。外装の変化だけでなく、「そのクルマと一緒に過ごす休日」のイメージまで一緒に提案する展示です。

その隣には、オリジナルグッズを集めた『LIMITED STORES!』のコーナー。クッションやTシャツ、雑貨が並び、レトロな書体のグラフィックが全体を引き締めています。ブースを一周するだけで、DAMDが目指している空気感がじわりと伝わってきました。


/ オートフラッグス Booth
会場をさらに進むと、福岡県北九州市を拠点とするカスタムパーツメーカー、AUTO FLAGS(オートフラッグス)のブースが目に飛び込んできました。前回の東京オートサロン2026でも取り上げた同社は、デリカD:5のカスタマイズで広く知られるブランド。デリカ向けパーツで培ったノウハウを軸に、近年はランドクルーザーシリーズをはじめとする4WD/SUV系へも展開を広げています。
今回並んでいたのは、新型デリカD:5とランドクルーザー250の2台。どちらも、同社らしいアウトドア感と機能性を両立させたスタイルでした。デリカで積み上げてきた実用重視のパーツづくりを、本格SUVの領域へどう持ち込むか。オートフラッグスの現在地が、そのまま形になったようなブースです。

ブースでは、オートフラッグススタッフの山口さんに、新作2台の狙いをじっくり伺いました。
NEW新型デリカD:5 — センサーを避けるため、ガードを一から引き直した
新型デリカD:5は、オートフラッグスとして初めて手がけた新型のデモカーです。最大の挑戦は、新型でフロント/リアに追加されたセンサーへの対応でした。従来(中期)型デリカD:5向けの人気フロントバンパーガード「GOQBUTO-RⅢ」を、形状そのままで新型に持ち込むと、新たに追加されたセンサーに干渉してしまう。そこが出発点だったといいます。
フロントガードを一から設計し直した。
— オートフラッグス 山口さんの説明より
こうして従来のGOQBUTO-RⅢを新型デリカD:5に合わせて作り直したのが、現在 『GOQBUTO-EV1』 として販売されているフロントバンパーガードです。リア側のバックアーマーも、同じくセンサーを避けた新デザイン『BUCK ARMOR-EV1』として開発が進行中。取材時点では試作段階で、2026年夏の発売を予定しているそうです。なお、ルーフラックやリアスポイラーなど一部の既存パーツは、新型D:5にもそのまま適合するとのことでした。


NEWランドクルーザー250 — オフロード × サイクリングという遊び方
もう一台は、ブラックボディのランドクルーザー250。今年のオートフラッグスブースのテーマは「オフロードで遊ぶ」。デリカD:5が雪山へスノーボードを積んでいくイメージなら、ランクル250は荒野でサイクリングを楽しむイメージ、というブースづくりです。


ランクル250には、フロントから足元、ルーフ、リアまで、注目のパーツが揃っていました。





そして最大のハイライトが、意匠登録済み(意匠登録第1817161・1817162号)の 折りたたみ式リアラダー(BUSTERSリアラダーLC250)。ランクル250のリアハッチには開閉機能が付いていますが、このラダーはそのハッチ機能を損なわない。そこがいちばんの工夫です。走行中やドア開閉時はコンパクトに畳んでおき、ルーフで作業するときにロックを解除して展開する——という折りたたみ機構を備えています。
収納時も展開時もピンでロックできる構造なので、走行中の安定性と作業時の使い勝手が両立します。見た目だけでなく実用性にも配慮されているのがポイントです。新作2台ともに、オートフラッグスらしい実用と造形の両立にこだわった作り込みでした。


展示車の内装 — 装着シートカバーは Refinad ヘリテージメッシュ
内装にも触れておきます。シートに装着されていたのは、ホワイトスモークのシートカバー。C/LOGを運営するカーショップコネクトで取り扱う Refinad ヘリテージメッシュ の3色のうちの1色です。中央部にマイクロファイバーメッシュを採用したシリーズで、本革風の上質感と通気性を両立しているのが特徴。アウトドア用途を見据えたオートフラッグスのカスタム車に、明るく爽やかな空気を足していました。

今回のイベント応援に来ていたインフルエンサーのみちゃんさんとは、別記事のオーナーインタビューで、デリカと暮らす日常について伺っています。あわせてご覧ください。
— 北九州発カスタマイズのトレンドセッター
/ Snap
2つのブースを見終えたあとは、会場を一周。冒頭で「働くクルマ系の展示が多い」と書いた通り、ISUZUの商用トラックのカスタム展示が一区画を丸ごと埋めていました。いかにも大阪オートメッセらしい光景です。装着されていたのは、トラック専用のシートカバーとカスタムシート。営業や配送で毎日乗る人の一日が、ちょっと上機嫌になる——そんな方向性のカスタムでした。


ホールを跨ぐと、今度はラグジュアリー系。WALDのフルカスタムレクサスと、ボディキットを装着したメルセデス・ベンツSLのカブリオレが、それぞれ専用ステージで光を浴びていました。ホイール一本、エアロ一本まで、ブランドのトーンがしっかり統一されている。「車格をひとつ上げてみせる」方向のカスタムが、堂々と並ぶエリアです。


最後にメーカーブースで気になったのが、トヨタ系のチューナーが手を入れた GR YARIS。「走り好きの選択肢」をコンセプトに掲げ、来場者の足がいちばん止まっていたクルマの1台でした。家族車、オフ車、働くクルマ、走りのクルマ。これだけ方向性のバラバラなクルマが同じフロアにフラットに並ぶイベントは、やっぱりオートメッセくらいかもしれません。

/ Wrap Up
1月の東京オートサロンが「メーカー × プロショップの本気の見せ合い」なら、2月の大阪オートメッセは「ユーザーとの距離が一段近いお祭り」。それが今回の率直な感想でした。働くクルマも、軽のキットも、外車のフルエアロも、全部同じフロアに並ぶ。だからこそ、「自分の暮らしの中でクルマをどう使いたいか」を、来場者一人ひとりが自然に考えはじめる空気があります。
そして今回いちばん持ち帰ったのは、DAMDとオートフラッグス、両ブースに共通していた「作り込みの本気度」でした。DAMDは、車種ごとに別のテーマ(イタリアンオフローダー/タフ&スクエア/ネオクラシック/ヤングタイマー/軽SUV)を与えるキット設計。オートフラッグスは、新型デリカD:5のセンサーを避ける新設計や、ランクル250の意匠登録済みリアラダーといった実用の課題と独自性を同時に解いたプロダクト。外装の造形でベース車の表情を大きく変えるDAMDと、ガード・ラダー・ラックといった実用パーツでアウトドア用途に応えるオートフラッグス。アプローチは違っても、見た目の変化と使い勝手を同時に作り込むところに、いまのカスタムの面白さが詰まっていました。
2027年の東京オートサロン、そして大阪オートメッセ2027で、両ブランドがどんな新作を持ち込んでくるのか。会場でそれを見るのが、今から楽しみです。



